アームチェア Yuh2022
ダイニングで用いるアームチェア。
新築住宅への調度品制作の構想を抱え、若いカップルがショールームに来訪していただいたのでしたが、いくつかの家具制作依頼の中の1つです。
椅子の展示品にも1つ1つ掛けていただき、気に入っていただいたものの、気紛れに旧い画像データを示したところ、工房起ちあげ間もない若い頃にデザイン、制作したアームチェアに刮目されてしまったのでした。
型板も処分してしまったところから、弱ったなと思いつつも、この旧作のアームチェアを新たにブラッシュアップさせ、制作することに。
意匠の基本部分はそのまま残しつつ、ワイドのボリュームアップと、前後脚部の造形をよりシンプルなものとして描き直す。
椅子としての基本的な機能を押さえつつ、過剰な装飾を排しつ、エレガントな美しさを追求。
また座板と脚部の結合の仕口も、より強度を増すよう改変。
材は真樺。一部、笠木などにミズメも混在。
笠木は105mmの厚みのものが必要で、ミズメの赤身で105角のものが潤沢に在庫していたことから、これを用いる。
座板は540mm幅もあるが、1枚板で構成。
真樺という材種そのものが大変品薄になっている中にあって、これはなかなか贅沢な木取りです。